うつ病治療の歴史について


うつ病は、10~15人に1人は一生涯に一度かかると言われ、決して珍しい病気ではありません。

現在、うつ病治療は薬物療法を主に、認知行動療法なども並行して行われますが、ほんの60年前までは、全く違った治療がなされていました。

いったいどんな治療が行われていたのでしょうか。

現在に至るまでのうつ病治療の歴史についてご紹介します。

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うつ病の歴史

うつ病は現在ではその名を知らない人のいない、いわばポピュラーな病名ですが、その概念が確立したのは、60年ほど前ことです。

もともと精神障害を肉体的な問題と絡ませて「病気」と捉える考えは古代ローマの「医学の父」ヒポクラテスが示しており、歴史的に古くからありました。

しかし、中世になるとこの考えは影を潜め、うつ病だけでなく他の精神障害は、悪魔つきや、超常現象のようなオカルト的なものとして捉えられるようになり、精神病治療は長い暗黒期にはいります。

フランスの精神科医フィリップ・ピネルが、隔離され拘束されていた精神障害者を解放し、人道的な医療を受けさせるよう働きかけたのは1792年のことです。

その後、向精神薬が発見されうつ病治療が本格的に始まります。

うつ病治療の分岐点

1952年、クロスプロマジンにドーパミン遮断効果があることが発見され、統合失調症などの精神科治療に使われるようになりました。

それは、それまで闇雲に行われていた精神疾患の治療の中で、治る見通しの立つ、初めての治療法でした。

これ以降、精神疾患の歴史の流れは大きく変わり、うつ病治療に対しても広く薬物が使用されるようになったのです。

薬物療法以前のうつ病治療法

それまでは、温熱療法、水治療法、入浴療法やマッサージなど末梢神経を刺激することで中枢神経の症状を改善する試みがなされましたが、大きな成果は得られませんでした。

また、偶然感染症で高熱を出した精神疾患患者の症状が改善したことに注目し、意図的に感染を起こし発熱させる「発熱療法」や、インスリンによりわざと低血糖状態を起こす「インシュリンショック療法」が試されましたが、いずれもうまくいきませんでした。

1930年代にイタリアで開発された電気けいれん療法は、一部の患
者には効果があり、薬物療法が始まるまで、有効な治療とされていました。

この治療法は現在も行われていて、主に、症状が重く薬物療法が効かない人に用いられています。

現在うつ病に対する薬物療法は、副作用の大きさから否定的に捉えられることもありますが、向精神薬の開発はそれまでのうつ病治療の歴史を大きく変えるきっかけとなりました。

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