「眠れない」「やる気が出ない」といった症状が続いている時、もしかしたら自分はうつ病ではないかと心配になることがありますね。
そんな時に、ネットなどでいつでもできるうつ病チェックは便利なものですが、うつ病チェックで出た結果をどこまで信じていいのか、その信憑性については疑問を感じる人もいるのではないでしょうか。
ネットで簡単にできるうつ病チェックの信憑性と、信憑性の高いうつ病チェックにはどんなものがあるのかについて調べました。
目次
うつ病チェックの信憑性は?正しい自己診断はできる?
ネットでは様々な種類のうつ病チェックがありますが、できるだけ正しい診断結果を得るには、まずは信憑性の高いうつ病チェックを選ぶ必要があります。
信憑性の高いうつ病チェックを探すには、次の2点に注目して選ぶといいでしょう。
・うつ病チェックの元になっている診断基準が明記してあり、なおかつ信頼できる機関の診断基準を使っているか。
・病院で診断に使われるなど、広く認められたうつ病チェックであるか。
上記の条件を満たしたうつ病チェックなら、信憑性が高いといえます。
しかし、自己チェックはあくまで自分の主観でしかなく、客観性に欠けるという欠点があります。
例えば、疲労感に関しての質問があったとして、同じ疲労度でも「ひどく疲れた」と感じるか「少し疲れた」と感じるかは人によって違います。
うつ病の場合は、朝に気分が悪く徐々に調子が上向いていくという傾向があるので、チェックを行う時間帯によっても答えに差が出てしまうかもしれません。
自己チェックの結果を100%信じるのではなく、うつ病か否かの判定は、医師が診断するものだと理解しておきましょう。
信憑性の高い3つのうつ病チェックとその特徴
病院での診断に使われることが多く、信憑性の高いうつ病チェックは、次の3つです。
いずれもWHOやアメリカの精神医学会などの信頼できる機関で作られたものであり、日本だけでなく、多くの国でうつ病の診断に使われているものです。
世界保健機構(WHO)が作ったうつ病の診断基準(ICD‐10)
「憂鬱な気分はあるか」などの10項目の質問に対して、自分の症状がいくつ当てはまるか答えます。
当てはまる項目の数によって、うつ病であるかどうかと、うつ病の進み具合を軽度・中程度・重度の3段階で判定します。
アメリカの精神医学会が作ったうつ病の診断基準(DSM-IV)
うつ病の症状を9項目あげ、5つ以上の症状が2週間以上続いている時、うつ病の可能性が高いと判断します。
当てはまる項目のなかで、「抑うつ気分」と「興味・関心の喪失」のどちらかが含まれていることも判断基準のひとつです。
簡易抑うつ症状尺度(ICD‐10)
DSM-IVの診断基準に対応して作られており、世界10ヵ国以上で使われている自己診断チェックです。
16項目の質問に答えて、うつ病であるかどうかと、うつ病の進み具合を軽度からきわめて重度までの4段階で判定します。
自己チェックのために作られており、症状が出る頻度などが、より客観的に答えられるようになっています。
うつ病チェックの信憑性と、お勧めのうつ病チェックまとめ
うつ病チェックは信憑性の高いものもありますが、自己チェックだけでは、うつ病か否かの診断をすることはできません。
うつ病の早期発見に役立てたり、定期的にチェックして、心の健康維持に役立てるといった使い方をするのがいいでしょう。
また、病院を受診する前に利用することで、自分の症状がより明確に把握できて、医師への説明がしやすくなるといった利点もあります。
うつ病チェックを行う時の注意点
・信頼できるうつ病チェックを選ぶ。
・自己チェックは客観性に欠ける部分があるので、結果を鵜呑みにしない。
・うつ病チェックは、うつ病の早期発見や予防、医師の診察を受けるきっかけとして利用する。
信憑性の高いうつ病チェックは次の3つ
・世界保健機構(WHO)が作ったうつ病の診断基準(ICD‐10)
・アメリカの精神医学会が作ったうつ病の診断基準(DSM-IV)
・簡易抑うつ症状尺度(ICD‐10)