時代が移り変わるに従って、過去と比べて仕事内容にも変化が見られます。
何がどう変わったかを一言で説明するのは難しいですが、大きな変化として、協力して取り組む仕事よりも個人で黙々と行う仕事が増えたことが挙げられます。
そのことが必ずしも悪いとは言いませんが、それによって重大な問題が発生しているのもまた事実です。
それは、うつ病や不安障害、心身症などの、以前はなかった精神疾患を抱える人が年々増えていることです。
しかし、見た目ではわかり辛いこれらの症状は周囲に理解され難く、厄介極まりません。
当人にとっては非常に苦しいことも、他人からすれば大したことではないように感じてしまうのです。
うつ病の認知度は高まっていますが、不安障害や心身症はまだまだ知らない人も多いでしょう。
そこで今回は、不安障害と心身症を取り上げて、どのような病気か解説させて頂きます。
不安障害とは?
不安障害とは、精神的な悩みや過度なストレスが原因となって強い不安を抱き、心理的障害が起こる精神疾患全般のことを言います。
元々は、不安症の症状は神経症と呼ばれていましたが、恐怖症や強迫神経症なども強い不安によって引き起こることから、これらをまとめて不安障害と呼ぶようになったのです。
不安障害の症状は数多くありますが、代表的なモノとして対人恐怖症が挙げられます。
似たような病気にはあがり症もありますが、若年層に特に多い引きこもりの原因には対人恐怖症が関わっているとされています。
自律神経失調症やうつ病が悪化して不安障害を併発する場合もあり、幼い頃の辛い記憶が原因となっているケースもあります。
心身症とは?
前述のように、不安障害は精神的な要因やストレスによって引き起こりますが、精神的な悩みが続くと今度は身体にも悪影響が出てきます。
このような症状を心身症と言います。
繰り返しますが、心身症は身体的な病気ながら心理的要因が大きく関わっているのです。
他の身体的な疾患も大なり小なり心理的要因の影響を受けていますが、中でも心理的な影響の度合いが大きい疾患を心身症と呼びます。
つまり簡単に言えば、ストレスによって引き起こる体の病気が心身症です。
それでは、具体的に心身症がどう言ったモノかですが、症状は多岐に渡ります。
より正確には、どのような症状も起こり得るとすら言えます。
心身症を治療するには、まず身体的な症状を軽減する必要があります。
治療法の一つには薬物治療があり、それによって身体的な症状と精神的な症状を緩和し、悪循環を断ち切らなければなりません。
その上で発症の原因となった心理的、社会的要因に対する精神療法に取り組むべきでしょう。